今回は高尾山薬王院と天狗についてを紹介記事風に
高尾山は、東京都心から電車で約1時間と交通の便が良く、2007年にミシュランガイドで最高ランクの三つ星の観光地に選出されるなどにより東京近郊の行楽地としてすごく有名になっているが、古来からの修験道の霊場であり、現在は真言宗智山派大本山高尾山薬王院有喜寺の寺域となっている。
薬王院の入り口にあたる浄心門。霊気満山の額が目を引く
高尾山は修験道根本道場として山伏修行が随時行われ、昔は山伏が深山幽谷に籠もって難行苦行を重ね、やがて高尾山の霊気と融合して、呪力、験力を体得して大先達となり、遂に天狗の名のもとに神として祀られたことから高尾山が天狗信仰の山とされた。
薬王院の四天王門。ここから先は境内という感じがする
薬王院は今から約1200年前に開山された真言宗智山派の寺院で、正式には「高尾山薬王院有喜寺」といい、現在は成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに真言宗智山派の三大本山として広く知られている
御本尊は「飯縄大権現」。不動明王の化身で、五つの相を併せ持ったお姿が特徴。
飯縄大権現は長野県の飯縄山(飯綱山)に対する山岳信仰が発祥と考えられる神。天狗は飯縄大権現の随身として、除災開運、災厄消除、招福万来など、衆生救済の利益を施す力を持ち、古来より神通力をもつとされ、多くの天狗伝説や天狗信仰がある
そのため、高尾山は薬王院のご本尊である飯縄信仰と共に天狗信仰の霊山としても知られていて、迦葉山(群馬県沼田市)、 鞍馬山(京都市左京区)と共に日本三大天狗(山)とされている。
四天王門すぐそばの大天狗小天狗像。これは比較的新しい。
上が大天狗、下が小天狗
天狗(てんぐ)とは、日本の民間信仰において伝承される神や妖怪ともいわれる伝説上の生き物。
もともと天狗は日本古来の山岳信仰と天台・真言密教両宗に関係があり厳しい山での修行をきわめ、抜群の呪力・霊力を得た実在の人物が、山に対する神秘感と畏怖感から、里人によって天狗として祀りあげたものとする説もある
薬王院本堂前の大天狗
同じく小天狗
厳しい修行をする山伏の姿が天狗と同一視されることが多く、鎌倉時代になると、修験道の修験僧(山伏)をも天狗と呼ぶようになったため、天狗の一般的な姿は修験者の様相で、翼があり空中を飛翔するとされる
このうち、鼻の高いのを「大天狗」あるいは「鼻高天狗」、鼻先が尖ったのは「小天狗」あるいは「烏天狗」と呼ばれる。
薬王院奥殿前の大天狗。このアングルの写真は良く見る
大天狗(おおてんぐ、だいてんぐ)は真っ赤な顔と高い鼻、団扇を持った姿。手にした団扇によって強力な颶風を起こし、その神通力で開運をもたらすと言われている。
薬王院奥殿前の小天狗
小天狗または烏天狗(からすてんぐ)は青い烏のような嘴をした顔、黒い羽毛に覆われた体を持ち、剣を構えた姿。その剣で魔を断つと言われている。
番外編、途中の茶店前の大天狗、小天狗
このお店のソフトクリームはケーキの生クリームをそのままソフトに凍らせた感じで大変美味しかった。
やっぱり最後は美味しい食べ物だよね。